群馬県太田市産業支援センターでZETA LPWAの実証実験を開始
LPWA通信規格であるZETAを活用しIoTによる超スマート社会への貢献を目指すZETAアライアンス(※1、※2)のメンバーである株式会社クラインズ(※3、所在地:群馬県、代表取締役:根立 淳社長、以下 クラインズ)は、「ぐんま新技術・新製品開発推進補助金採択事業」に対し「IoTマルチ評価実験セットの開発」事業を申請し、採択されました。
2019年1月から同12月までの期間、太田市産業支援センター(※4 以下 支援センター)内にZETA AP(基地局)やZETA Mote(中継器)などの通信インフラを常設し、新規開発したZETAデバイスやアプリケーション・プラットフォームの実証・評価を行います。
図1 ZETAアライアンス
実証実験・技術開発について
実証の第一弾として、支援センター内にスマートビルディング向けのセンサー類を設置、アプリケーション・プラットフォームの運用を開始しました。今後は設置した各センサーから送信される情報を解析することで、通信状況および通信品質の評価を行い、システムの有効性を確認します。
2019年3月には最新のリリース製品であるスマート農業向けセンサー類(気温・湿度・照度統合センサー、土壌温度・水分量センサー、土壌電気伝導度センサー、二酸化炭素濃度センサー、光合成有効放射センサー、葉面温度センサー、葉面湿度センサー)を支援センターの敷地内に設置し情報を収集、農業専用に開発したアプリケーション・プラットフォームの運用試験を行うほか、ZETA LPWAの特長である、中継器を用いたマルチホップとメッシュアクセスによる柔軟な通信エリアの拡張性評価に加えて、ダウンリンクの有効性評価を開始します。
図2 ZETA アーキテクチャー
さらに、センター内に展示ブースを設営し、ZETA対応製品の紹介やデモンストレーション展示を行い、多くの方にZETAを体験頂ける場を提供する予定です。
ZETAアライアンスはクラインズと協業し、支援センターを技術試験拠点と位置づけ、実証実験および技術開発の場として活用することによってZETAの普及を加速させ、さらには地域の活性化に貢献してまいります。
図3 センサー設置状況1
図4 センサー設置状況2
(※1) ZETAは、2013年に英国ケンブリッジで創業されたベンチャーであるZiFiSense社によって開発されたIoT向きの無線通信の新しい規格です。ZETAの特長は、低消費電力で双方向通信が行えること、中継器を用いてメッシュ状のアドホック無線通信ネットワークを構築してマルチホップ通信(最大4ホップ)が行えること、中継器は小型軽量で電池駆動が可能であり設置場所の選択範囲が広いことなどです。
これらの特長から、ZETAは高層ビルが林立する大都市中心部、島しょ部傾斜地や山間部など複雑な地形の場所でのIoT向けの無線通信インフラとして適しています。
URL:
http://www.zifisense.co.uk
(※2) ZETAアライアンスは、ZETAの活用推進と普及促進を図るために、テクサーが凸版印刷株式会社(本社:東京都)、株式会社QTnet(本社:福岡市)、アイティアクセス株式会社(本社:横浜市)と共に2018年6月に設立した協業組織(エコシステム)です。ZETAアライアンスは、ZETAを用いたIoTシステムを様々な社会課題に対して適用を進めることにより、Society5.0で提唱されている超スマート社会の実現に貢献することを目指しています。(2019年2月現在45の企業・団体が参加)
URL:
https://zeta-alliance.org
(※3) 株式会社クラインズ
2005年8月創業 資本金2,000万円 従業員数14名(パート含む)
群馬県立東毛産業技術センター内に本拠地を置く。システム開発を基軸に、色々な事業展開を行っている。ソフト分野を基軸に、IoTを中心とした無線通信分野、ハード面にも力を入れている。
(※4) 太田市産業支援センター
新産業の創出および地域産業の経営革新を支援する事業を行い、地域産業の振興を図るとともに、活力ある地域経済の発展に寄与することを目的として群馬県立東毛産業技術センターとして設立、平成26年4月1日より太田市産業支援センター。施設内には貸し会議室、展示商談室、研修室並びに貸しオフィスが完備され、太田市における産業振興の中枢を担う様々な支援団体が入居しており、ワンストップで支援サービスを提供しています。
URL:
https://www.otaisc.jp